三菱地所、福岡・天神の複合ビルを「天神大樹」と命名、エースホテルの入居を確認
三菱地所は、福岡・天神の旧百貨店跡地で建設が進む21階建て複合ビルの名称を決定し、ホテル区画の運営をエースホテルが担うことを確認した。同ブランドにとって日本国内2都市目の進出となり、天神エリアで進む再開発がまた一歩前進する。

三菱地所は、福岡市中央区の旧天神イムズ跡地で建設が進む複合ビルの名称を「天神大樹(てんじんたいじゅ)」に決定したと、同社のニュースルームで発表した。完成時には地上21階・地下4階、高さ約91メートル、延床面積は約7万3,700平方メートル(敷地面積約4,640平方メートル)となる。
建物はオフィスにホテル・商業施設・駐車場を組み合わせた複合用途となる。ホテル区画の運営はエースホテルが担い、三菱地所が2024年2月に明らかにしていた提携が、今回のビル名称決定という形で正式に確認された。エースホテルにとっては、日本第1号となる京都に続く国内2都市目の進出となる。
名称には、多様な人や文化が根を張り、共に育つ「街の樹」というコンセプトを込めたと同社は説明する。3階の「オープンロビー」は地域に開かれたコミュニティ空間と位置づけられ、福岡発のコーヒーブランド「マヌコーヒー」の店舗とコワーキング支援サービスが入る。開業に先立ち、三菱地所は音楽をテーマにしたプレイスメイキング施策「ギビングツリープロジェクト」も始動しており、第一弾はプロデューサーの坂口修一郎氏が手がける。着工は2024年5月で、完成は2027年5月末を予定している。
今回の計画は、福岡市が推進する再開発政策「天神ビッグバン」により容積率や高さ制限が緩和されて以降、天神地区で相次ぐ高層ビル建て替えの一つに位置づけられる。同政策は、耐震性能や環境性能の確保を条件に、より高く高密度な建物への建て替えを促してきた。オフィスタワーの一角にエースホテルのようなデザイン志向のブティックブランドを迎えることは、単なる賃貸契約以上に、ビルの立ち位置そのものを左右する判断でもある。グローバル展開の大型ホテルチェーンとは異なり、エースホテルは街に根ざしたキュレーション性の高いブランドイメージを強みとしており、三菱地所はそのブランド力を、通常であれば無機質になりがちなオフィスフロアへ来訪者を呼び込む力に変えようとしている。京都のような単独物件ではなく、開発会社のオフィスビルに組み込まれる形でそのブランドイメージが保たれるかどうかは、2027年の開業後に注目すべき点だ。