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野村不動産、第1四半期利益は31%減もマンション引き渡し時期のずれが要因。通期予想と増配路線は維持

野村不動産の第1四半期(4〜6月)営業利益は、マンションの引き渡し件数減少により前年同期比31%減となった。それでも同社は通期予想を据え置き、配当は15期連続の増配路線を維持している。今回の落ち込みは需要の弱さではなく、四半期ごとの計上タイミングの問題と経営陣は見ているとみられる。

マンション販売ギャラリーを描いたフラットベクターイラスト。中央にはガラスケースに入った住宅タワーの模型、傍らには図面を広げた製図台、奥の窓越しには建設中のクレーンのシルエットが見える。
イラスト:floortok.com

野村不動産ホールディングスが7月30日に発表した2027年3月期第1四半期(4〜6月)決算によると、営業利益は255億円で、前年同期の368億円から3割強の減少となった。マンションの引き渡し件数が前年同期を下回ったことが主因という。

売上高に相当する営業収益は前年同期の2214億円から13.7%減の1910億円だった。持分法による投資損益などを加味した同社独自の利益指標「事業利益」は386億円から30%減の271億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は231億円から36%減の147億円となった。

落ち込みが集中したのは、案件ごとの計上時期に業績が左右されやすい2部門だった。住宅事業の売上高は前年同期の1185億円から1011億円へ減少。同社は住宅販売戸数の減少に加え、前年同期に計上した土地売却の反動を要因に挙げた。都市開発事業の売上高も、物件売却の減少により622億円から486億円へ落ち込んだ。日本のマンション事業では、建物が完成し引き渡しが完了した時点で初めて売上高が計上される。そのため引き渡し件数が多い四半期と少ない四半期とで、実際の需要が変わらなくても利益が数十億円単位で振れることになる。

すべての事業が減収となったわけではない。仲介・CRE事業の売上高は146億円から149億円へ増加し、同社は流通・ミドル市場における取引額の増加と成約件数の伸びを要因に挙げた。プロパティ・マネジメント事業も、管理物件の増加や工事受注により262億円から273億円へ伸びた。これらは同社の中でも比較的安定的な手数料収入型の事業であり、今四半期の増収は、野村不動産の収益がマンション事業の計上タイミングほど一様に振れるわけではないことを示している。

今回の四半期減益にもかかわらず、野村不動産は2027年3月期の通期予想を4月24日公表時点から据え置いた。営業収益は前期比14.6%増の1兆800億円、事業利益は同1.8%増の1500億円で、いずれも過去最高を更新する見通しだという。年間配当予想も1株44円(前期比4円増)で据え置き、実現すれば15期連続の増配となる。配当性向は43.7%の見込み。

今回の数字からは、今期のマンション引き渡しとそれに伴う利益の大半が下期に偏っていることがうかがえる。第1四半期の進捗率が通期営業収益予想の18%、事業利益予想の17%にとどまっているのも、その傾向と整合的であり、通期予想の未達を示すものではない。事業利益が2023年3月期以降一貫して増加してきた同社にとって、通期目標を据え置いたままの一時的な減益は、複数年のグラフで見れば一過性の凹みにすぎない。

野村不動産:事業利益の推移(2023年3月期〜2027年3月期予想)

十億円

0751502023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期(予)+105.1+113.6+125.1+147.3+150.0事業利益
野村不動産ホールディングス 2027年3月期第1四半期決算説明資料 · 作図:floortok