三井不動産とアスコット、東京駅前の新超高層ビル最上階に184室の「オークウッドプレミア八重洲コア東京」
三井不動産とアスコットは、東京駅前の八重洲再開発で最も高い超高層ビル「YAESU CORE」の最上層4フロアに184室のサービスレジデンスを開業する。ビル全体が稼働する前に、長期滞在需要が最高層の採算を支えられるかを試す賭けとなる。

三井不動産とシンガポールのアスコット(The Ascott Limited)は10月13日付の共同リリースで、東京駅前で進む八重洲エリア再開発の3棟目にして最も高い超高層ビル「YAESU CORE」の最上層に、184室のサービスレジデンス「オークウッドプレミア八重洲コア東京」を開業すると発表した。同施設はYAESU COREの40階から43階を占め、ロビー・ラウンジ・レストラン・フィットネスルームを備える40階は地上約190メートルの高さになるという。レストランは滞在者以外の利用も可能としている。
YAESU COREは「八重洲二丁目中地区」の再開発事業の一環で、地上43階・地下3階、高さ約227メートル、延床面積約38万9290平方メートル、敷地面積約1万9560平方メートルの規模になるという。三井不動産と三井不動産レジデンシャルによると、竣工は2029年1月末を予定し、JR東京駅八重洲口から地下通路で徒歩3分の立地。オフィス、商業施設、劇場、ホテル・サービスレジデンス、インターナショナルスクール、バスターミナルなど複数の用途を一棟に収める大型複合ビルとなる。
184室はスタジオ、1ベッドルーム、2ベッドルーム、3ベッドルームの4タイプで構成され、面積は約30~170平方メートル。各室にワークスペース、収納、キッチン、洗濯機を備え、1泊から長期滞在まで対応する設計という。アスコットと三井不動産グループは、訪日外国人やビジネス渡航者を主な利用客層に想定し、アスコットのアッパーアップスケールブランド「オークウッドプレミア」を東京駅前という都心最有数の立地に投入する。
10年来の提携で5件目
同社によると、オークウッドプレミア八重洲コア東京はアスコットと三井不動産グループの日本における5件目の共同プロジェクトで、これまでに「オークウッドレジデンス麻布十番」「オークウッドプレミア東京ミッドタウン」(日本初のオークウッドプレミア)、「オークウッドレジデンス六本木Tキューブ」「オークウッド・ホテル&アパートメンツ麻布」を手掛けてきた。リリースには三井不動産の植田俊社長、三井不動産レジデンシャルの嘉村徹社長、アスコット・ジャパンのクリスチャン・ボーダー社長の名前が記されているが、発言の引用はない。
今回の目玉はホテルではなく「サービスレジデンス」である点だ。キッチンと洗濯機を備えた長期滞在型の部屋は、転勤者や長期出張者の需要を想定したもので、東京駅前の新築超高層ビルの最上階という最も賃料の高い場所にこの形態を据えることは、そうした需要が43階建てビルの最上層を支えられるかを試す試みでもある。三井不動産にとっても、オフィスや商業施設の上層に別の収益源を重ねる狙いが見える。YAESU COREは同再開発3棟目かつ最高層であり、最上階にホテルブランドを置くことは、残りの大半を占めるオフィス・商業フロアとは異なる収益源とPR上の目玉を与える。
竣工予定の2029年1月末まではまだ2年以上あり、注目すべきはその時期だ。最上階の看板施設が先に決まった今、その下に広がるオフィスや商業フロアがどれだけ埋まるかが問われる。