floortok

ジャーナル

·
ニュース

ドン・キホーテ運営のPPIH、9月度既存店売上高3.1%増 ディスカウント事業がUNYを上回る

PPIHの自社月次速報によると、9月の国内既存店売上高は客数が1.5%減るなかでも3.1%増となった。長引く雨が「まとめ買い」需要を押し上げる一方、アウトドア関連は苦戦した。秋に入った日本のディスカウント・スーパー業態の動向を知る早い手がかりだ。

斜め上から見下ろしたディスカウントストアの通路。両側に商品棚が積み上がり、買い物袋を持つ2人のシルエット。右の窓には雨筋が伝う。
イラスト:floortok.com

ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は10月13日付の自社月次販売速報で、9月の国内リテール事業の既存店売上高が前年同月比3.1%増になったと発表した。既存店の客数は1.5%減ったものの、客単価は4.6%増加した。既存店ベースの対象店舗数は645店、全店ベース(677店)の売上高は5.2%増。2027年6月期第1四半期(7〜9月累計)の既存店売上高は2.7%増となっている。

ディスカウント事業(ドン・キホーテ、MEGAドン・キホーテなど)は引き続きグループ平均を上回った。9月の既存店売上高は3.4%増、客数は1.9%減、客単価は5.4%増。対象店舗数549店の全店売上高は6.3%増となった。同社は、傘やレイン用品が好調だったことに加え、月末の駆け込み需要で酒類・たばこが売上を押し上げたと説明する一方、アウトドア用品やサイクル、スポーツ飲料など外出需要品は苦戦したとしている。美容液やクリーム、バスボール、キャラクターウェアは底堅く推移したという。

スーパー事業のUNYは伸びがやや鈍く、9月の既存店売上高は2.0%増、全店(128店)売上高は1.7%増にとどまった。客数はほぼ横ばいの0.2%減。シルバーウィークのごちそう需要を捉え、精肉や惣菜、鮮魚・寿司・刺身などの生鮮食品が幅広く貢献した一方、米は前年の高水準の反動で引き続き減少した。非食品ではトレーディングカードやキャラクター雑貨、スキンケア、ペット用品も好調だったとしている。

同社によると、9月は長期にわたる降雨が続き、国内リテール事業の客数は想定以上に落ち込んだものの、雨による週末のまとめ買い需要や、自宅で快適に過ごす「家中需要」を捉えたことが売上を押し上げたという。また、前年同月と比べ休日(土日・祝日)が1日多かったことも、国内リテール事業全体で+0.7ポイント、ディスカウント事業で+0.8ポイント、UNY事業で+0.6ポイントの押し上げ要因になったとしている。

今回の数字は、PPIHにとって過去最高の決算となった前期(2026年6月期)に続くものだ。同社は8月、売上高が8.8%増の2兆4453億円、純利益が21.6%増の1101億円と、いずれも過去最高を更新したと発表していた。ディスカウント事業が成長をけん引し、UNY事業が緩やかに伸びるという構図は、新年度(2027年6月期)に入ってからの第1四半期を通じて続いている。来店客数は減っても客単価の伸びが売上を支えるという構図は、9月の小売各社の月次実績にも共通して見られる動きだ。

同社は10月の新規出店として「ドン・キホーテ東根店」(山形県東根市)を1件挙げている。休日1日増や降雨によるまとめ買い効果が剥落する10月以降も、ディスカウント事業がUNY事業を上回るペースを保てるかが焦点となる。

PPIH:第1四半期を通じディスカウント事業がUNY事業を上回る

既存店売上高・前年同月比(%)

0%3%5%2026年7月2026年8月2026年9月+4.8%+1.6%+3.4%+0.3%+0.4%+2.0%ディスカウントUNY
PPIH 月次販売高状況(速報) · 作図:floortok