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リシュモン、アントン・ルパート氏を共同副会長に任命 後継体制を強化

リシュモンが副会長職を2人体制に分割し、ヨハン・ルパート会長と同じ姓を持つアントン・ルパート氏を新たに共同副会長に任命した。日本の宝飾売場を支えるカルティエやヴァンクリーフ&アーペルなど傘下メゾンの創造・製品面を同氏が担い、もう一人の共同副会長がガバナンスを担当する体制とした。

スイス発高級メゾンの日本旗艦店を思わせる、上質なジュエリーブティック内観のイラスト
イラスト:floortok.com

カルティエやヴァンクリーフ&アーペル、IWC、ジャガー・ルクルトなどを傘下に持つスイスの高級ブランドグループ、リシュモンは、アントン・ルパート氏を非執行の共同副会長に任命したと発表した。9月8日開催の取締役会を経て即時発効するという。発表はグループが通常の開示チャネルとするグローブニュースワイヤーを通じて行われた。ルパート氏は、同グループのヨハン・ルパート会長と同じ姓を持つ。

ルパート氏は、2024年から副会長を務めてきたブラム・スコット氏とともに共同副会長職に就く。単独だった副会長ポストを2人体制に分割した形で、発表によれば両氏の担当領域は異なる。ルパート氏は、グループの「創造性・事業戦略における中核」と位置付けられる傘下メゾンの戦略製品・コミュニケーション委員会(SPCC)を統括し、スコット氏は取締役会および各委員会のガバナンスを担当する。

ヨハン・ルパート会長は発表の中で、「リシュモンの強みは、緊密な家族の関与による継続性、厳格なガバナンス、そして創造性と匠の技への揺るぎないこだわりに、常に支えられてきた」と述べ、今回の人事を「取締役会の長期的な後継計画における重要な一歩」と位置付けた。

今回の人事が日本での事業に直ちに変化をもたらすわけではない。カルティエとヴァンクリーフ&アーペルは、銀座から表参道まで、日本の百貨店・旗艦店の宝飾品売場で依然として最大級の存在感を持つハードラグジュアリー2メゾンだ。ただし、担当領域を分けたこと自体がメッセージとも言える。創造・製品面の継続性とガバナンス面の統治を別々の共同副会長に委ねることで、リシュモンは取締役会トップの交代が、各メゾンの小売パートナーが複数年単位の店舗投資の前提とする創造面のパイプラインを揺るがすものではないと、市場やパートナーに示した形だ。