良品計画、営業利益40%増で最高益 海外事業が牽引、国内は同業並みの伸び
良品計画の2026年8月期の営業利益は前期比40.1%増の1,034億円と過去最高を記録したが、その伸びの多くは海外事業によるものだ。国内事業の伸びは8.7%で、物価上昇率を大きく上回ったものの、他の大手小売各社の国内での伸びとほぼ同水準だった。一方、海外の3事業はいずれも24〜33%伸びた。

MUJI(無印良品)事業を展開する良品計画(株式会社良品計画)は、10月14日付で開示した決算資料で、2026年8月期(2025年9月〜2026年8月)の連結業績が営業収益・営業利益・経常利益・純利益のいずれも過去最高を更新したと発表した。営業収益は前期比17.7%増の9,235億円、営業利益は同40.1%増の1,034億円で、同社の営業利益が1,000億円を超えるのは初めてという。営業利益率は前期の9.4%から11.2%に上昇した。経常利益は同44.8%増の1,046億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同50.3%増の764億円だった。
良品計画は、海外事業の拡大と円安の影響に加え、生産体制の内製化による原価低減や値下げの抑制が営業総利益率の改善につながったと説明した。純利益については、営業利益の増加に加え、為替差益、政策保有株式の売却益、海外子会社における将来の課税所得の見込みに基づく繰延税金資産の計上などが押し上げ要因になったという。
同社によると、ライセンス店を含む無印良品の店舗数は、当期末時点で国内外合計1,486店となった。国内は50店を新規出店、10店を閉鎖して723店、海外は71店を出店、37店を閉鎖して763店となり、出店は東アジアおよび東南アジア・オセアニアに集中したという。北米でも出店を再開したとしている。
海外が牽引する増収増益
国内事業の営業収益は前期比8.7%増の5,109億円、セグメント利益は同21.6%増の633億円となった。良品計画は、新規出店に加え、会員向け割引企画「無印良品週間」や年末年始の販促、ポイントが通常の5倍になる「GOOD POINT WEEK」などの季節施策、さらに生産の内製化による原価低減や店舗運営の効率化が寄与したと説明する。既存店売上は伸長した一方、EC売上は上期に発生したシステム障害の影響で前年を下回ったが、両者を合計すると前年を上回ったという。
海外事業はいずれも国内を上回る伸びを示した。2番目に大きいセグメントである東アジア事業は、営業収益が同32.2%増の2,937億円、セグメント利益が同44.2%増の616億円で、中国大陸事業で生活雑貨や食品を中心に全部門の売上が伸びたほか、台湾・香港・韓国の各事業も増収増益となった。東南アジア・オセアニア事業は、営業収益が同32.8%増の665億円、セグメント利益が同64.1%増の91億円で、売場の改善や販売計画の見直し、タイ・ベトナムでの旗艦店出店などが寄与した。欧米事業は、営業収益が同24.1%増の522億円、セグメント利益が同17.0%増の80億円で、既存店とEC売上がともに好調だったことに加え、2027年8月期開業予定の欧州旗艦店にかかる先行費用を吸収してなお増益を確保した。
差の正体
国内事業の伸び8.7%は、物価上昇のペースを十分に上回っている。総務省統計局によると、2026年8月期の最終月である8月の消費者物価指数は前年同月比1.9%の上昇だった。ただし単月の数値は、12カ月間の業績を測る目安としては粗いものにすぎない。同業他社と比べると、国内事業の伸びはそれほど目立たない。floortokが決算情報を追う大手小売各社のうち、それぞれ直近の決算期で見た増収率の中央値はおよそ10%、国内または日本事業の売上を個別に開示している5社に限ればその中央値はおよそ8%で、良品計画の国内事業の伸びは、抜きん出るというより、その中間に位置する水準といえる。
つまり、グループ全体の営業収益17.7%増・営業利益40.1%増という数字の多くは海外事業によるもので、同社自身も海外事業の成長とともに円安の寄与を挙げている。floortokの見方では、日本の消費者に対する無印良品の勢いを測るには、全体の数字よりも国内事業の数字の方が適している。堅調ではあるが、業界を上回るというより、業界並みの伸びだ。
2027年8月期の業績見通しについて、良品計画は営業収益を同9.8%増の1兆140億円とし、初めて1兆円を超える見通しを示した。営業利益は同10.2%増の1,140億円、経常利益は同6.0%増の1,110億円を見込む一方、純利益は同4.5%減の730億円を予想する。これは、当期に計上した株式売却益や税務関連の一過性利益の反動によるものだと同社は説明した。計画が実現すれば、営業収益・営業利益は4期連続で過去最高を更新することになる。
良品計画は、2026年8月期の期末配当を1株当たり22円とし、年間配当を従来予想の32円から38円に増額すると発表した。2025年9月1日付の株式分割(1株を2株に)後の基準で換算すると、前期の年間配当は25円だったという。2027年8月期の配当予想は年間38円とした。