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サンローラン、アンソニー・ヴァカレロ氏がクリエイティブ・ディレクターを退任 後任は近く発表へ

ケリング傘下のサンローランが、10年にわたりクリエイティブ・ディレクターを務めたアンソニー・ヴァカレロ氏の退任を発表した。GINZA SIXや松屋銀座から阪急うめだ本店、松坂屋名古屋店まで、同ブランドを扱う国内の百貨店・商業施設にとっては、次に誰のコレクションが売場に並ぶのかが焦点になる。

閉店後のアトリエを描いたイラスト。黒いテーラードジャケットを着せたトルソーと、生地見本や裁ちばさみが並ぶ裁断台、黒い服が掛かったラック、明かりの差す戸口から歩み去る後ろ姿のシルエット。
イラスト:floortok.com

サンローランは10月9日、2016年からクリエイティブ・ディレクターを務めてきたアンソニー・ヴァカレロ氏が同ブランドを離れると発表した。親会社のケリングが声明を公表した。後任の名前や退任の時期には触れておらず、新たなクリエイティブ体制については近く発表するとしている。

声明では、ケリングのルカ・デ・メオ最高経営責任者(CEO)と、サンローランのセドリック・シャルビ社長兼CEOが、そろってヴァカレロ氏の10年間の貢献に謝意を示した。デ・メオ氏は今回の交代を、ブランドの歴史における新たな章の始まりと位置づけた。退任の理由は明らかにしていない。

日本の売場への影響

サンローランは、日本のラグジュアリー売場に欠かせないブランドの一つだ。floortokが6月時点で収集した各館のフロアガイドでは、同ブランドのブティックが8館に入っている。東京のGINZA SIXと松屋銀座、大阪の阪急うめだ本店と大丸心斎橋店、名古屋の松坂屋名古屋店とジェイアール名古屋タカシマヤ、そして大丸の京都店と札幌店だ。化粧品フロアのイヴ・サンローランのコスメカウンターは含まず、データはまだすべての店舗を網羅していないため、8館という数字は国内の取扱い店舗数そのものではない。これらの売場にはいずれ、サンローランが次に指名するデザイナーの仕事が並ぶことになる。

日本はケリングにとって小さくない市場だ。同社の上半期報告書によると、6月までの6カ月間の日本の売上高は5億3900万ユーロで、グループ全体の7%を占めた。為替・事業構成一定ベースでは2%増、ユーロ建ての報告ベースでは10%減だった。サンローランを含むファッション・レザーグッズ部門は、6月末時点で日本に172の直営店を持ち、上期に差し引き16店を減らした。同部門の日本の売上高は既存ベースで8%減だったが、ケリングは第2四半期に改善したとしている。

今回の発表は、ケリング自身がサンローランの勢いを伝えていた上期の直後でもある。7月の報告書で同社は、新しいコレクションへの顧客の反応が強まり、サンローランの売上高が大半の市場で勢いを増したと説明し、とりわけウェアとシューズが大きく伸びたとしていた。

編集部は、日本の売場で注目すべきはまさにこのカテゴリーだとみる。ウェアとシューズは、ケリングがサンローランの最近の成長要因に挙げた分野であり、デザイナーの交代が最も直接的に表れる分野でもあるからだ。次のクリエイティブ・リーダーが決まるまで、同ブランドを扱うバイヤーや百貨店にとってはそこが最大の問いとなる。ブランド側は、答えは近く出すとだけ述べている。