髙島屋、美術部120周年記念展は入場料制 ギャラリーを単なる売場回遊の無料スポットにせず
髙島屋は、現代美術家・森村泰昌氏を総合監修に迎え、自社の美術部の節目を記念する2年間の企画展シリーズを開幕する。百貨店のギャラリーを美術館さながらの有料展示として設計した点が目を引く。

髙島屋は、現代美術家の森村泰昌氏を総合監修に迎え、自社の「美術部」創設120年を記念する2年間の企画の第1弾となる展覧会を開催すると発表した。
展覧会のタイトルは「モリムラさんは百貨店で考えた。美術には暮らしがよく似合う。」。日本橋高島屋S.C.本館8階ホールで2027年3月4日から22日まで開催した後、大阪高島屋7階グランドホールへ巡回する(3月25日〜4月12日、会期は予定)。森村氏がディレクターを務め、キュレーションは林彩乃氏、会場構成は吉野弘氏が手がける。有名絵画になりすました自画像で知られる森村氏の新作に加え、髙島屋が所蔵するル・コルビュジエや藤田嗣治、与謝野晶子らの作品や資料、過去の美術部企画展を再現したジオラマなども展示する。入場料は予定で一般1,800円、大・高校生1,000円、中学生以下は無料。
髙島屋は、美術部の歴史を1909年(明治42年)に京都・大阪・東京の各店で開催した「現代名家百幅画会」に遡るとし、今回の展覧会を皮切りに「美、その先へ。拡がりと融合」を掲げた2年間の企画展シリーズを展開、2028年に美術部創設120周年を迎えるとしている。
注目すべきは1,800円という入場料だ。日本の百貨店の美術部門は、壁に並ぶ作品そのものを売ることを主な収益源としてきた。日本橋と大阪を舞台にした記念展を美術館さながらの有料展示として設計するのは、ギャラリー空間を売場への無料の呼び込みではなく、それ自体が収益を生む催しとして位置づける動きと言える。