「東京ミッドタウン日本橋」竣工、最上階にはウォルドーフ・アストリアが日本初進出
三井不動産と野村不動産は、日本橋川沿いに建つ高さ284mの超高層タワーの躯体を完成させた。新たに約2万平方メートルの商業床が加わり、ヒルトンの最上級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」が国内初進出する一方、既存の商業施設「コレド日本橋」は改装のため休業する。東京都心の一角の商業地図を直接塗り替える動きだ。

三井不動産と野村不動産は10月8日付の共同発表で、高さ284m・地上52階建ての日本橋川沿いの超高層タワー「東京ミッドタウン日本橋」の躯体が完成したと明らかにした。新たに約2万平方メートルの商業床を加えるほか、ヒルトンの最上級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」が国内初進出し、既存の商業施設「コレド日本橋」は改装のため1年以上にわたり休業するという。
三井不動産によると、4街区からなる再開発の中核となる超高層棟「日本橋ノムラ三井タワー」は9月30日に躯体が完成した。新設される商業床は約2万平方メートル、店舗数は約100区画に及び、タワー棟(地下から3階)、南街区(地下から4階)、リバーサイドテラス(1〜2階)の3エリアがデッキと地下通路で結ばれる構成となる。現在同所にある商業施設「コレド日本橋」は10月15日に一旦休業し、再整備を経て2027年中に新たな商業ゾーンの一部として再開する予定。
商業・オフィスフロアの上層には、ヒルトンの最上級ブランドが日本初進出となる「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」が入る。39〜47階(客室は40〜47階)に客室197室を備え、レストラン3軒、ラウンジ・バー、屋内プール、スパ、フィットネスセンター、宴会場、チャペルを併設する。48〜51階には住宅「ウォルドーフ・アストリア レジデンス東京日本橋」が入居し、専有面積約60〜430平方メートルの住戸71戸を展開する。発表資料によれば、同ブランドによるレジデンスはアジア太平洋地域で初めてという。
5〜8階には、三井不動産が「都心最大級」とするMICE施設が入る。約1,500平方メートルで約1,600人収容のホールを2室備えるほか、会議室12室(総面積約1,400平方メートル)、約1,000平方メートルの大規模なフォワイエを設け、地域の観光DMOである「DMO TOKYO日本橋」と連携し、地元の食や文化、宿泊サービスを提供するという。開業は2027年10月を予定する。上層階のオフィスフロアには野村ホールディングスと第一三共がそれぞれ本社を構えるほか、バンク・オブ・アメリカの国内拠点も入居し、ほかの企業も順次入居する見通し。敷地内の低層棟「日本橋野村ビル旧館」は中央区登録有形文化財に指定されたファサードを保存し、低層部は商業施設として活用する。
本プロジェクトは、三井不動産が「日本橋リバーウォーク」と呼ぶ約11ヘクタールの水辺再開発の第一弾で、南街区の改修が完了する2027年中に街区全体のグランドオープンを予定している。金融・卸売の街として知られてきた日本橋にとって、焦点は床面積の拡大そのものよりも、何がそれに代わるかにある。コレド日本橋の休業は既存の集客拠点を1年以上失うことを意味し、新設される約100区画の商業施設は、街区再開業後に客足を取り戻せるかが問われる。同時に、日本初進出となる最上級ホテルブランドが、銀座や丸の内から需要を借りることなく、日本橋そのものでどれだけの集客力を発揮できるかも試される。