ユニクロ、ケイト・ブランシェットが参加する文芸誌プロジェクト「stories she tells」始動、最初の大学パートナーは東京大学
ユニクロが、創刊する文芸誌プロジェクトの立ち上げパートナー兼共同編集者に東京大学を指名し、海外展開に先駆けて日本を拠点に始動させた。

ユニクロは、文芸プロジェクト「stories she tells」の一環として、同社初となる文芸誌を創刊すると発表した。ユニクロ グローバルブランドアンバサダーのケイト・ブランシェットが参加し、掲載エッセイを選ぶ選考委員会の委員長を務める。発表は10月30日付、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングのリリースによる。東京大学は本プロジェクトの立ち上げパートナーであり、同社が位置づける最初の大学パートナーとなる。東京大学内のセンター「IncluDE」が、テーマ選定への助言と、誌面の共同制作・編集を担う。
創刊号は2027年秋に、「つながり(Connection)」をテーマに発行する予定で、公募で選んだエッセイに加え、同テーマに関する学術論文や文学作品も掲載する。選ばれた執筆者には、執筆指導とメンターシップを提供するという。応募の公募は2026年冬に始まり、応募要項の詳細は12月ごろに発表する予定。
東京で開いた発表イベント
ユニクロと東京大学は、発表前日に同大学の総合図書館で記念の朗読イベントを開き、学生約50人に加え、教職員やメディアも参加したという。東京大学の林香里理事・副学長がパネルの進行役を務め、作家・川上未映子氏の小説「夏物語」(英語版タイトルは「Breasts and Eggs」)の一節から始まった。パネルには東京大学の学生2人も参加し、ブランシェットは自身が選んだクラリッセ・リスペクトルのエッセイ「ビロンギング」の一節を朗読した。
「女性作家たちの視点を広く伝えるこの新しいプロジェクト『stories she tells』で、ユニクロと協働できることは光栄です」とブランシェットは述べた。
イベント後には、図書館前の広場で130冊以上を集めたブックフェアを開いたという。ファーストリテイリングは、同プロジェクトが声を上げにくい立場にある人々の機会を広げることを期待していると説明し、東京大学の藤井輝夫総長は、同パートナーシップが多様性と対話への同大学の姿勢を反映するものだとした。
グローバルなアンバサダー企画の拠点を、ユニクロの店舗やファッションウィークの舞台ではなく東京大学に置くことで、どのエッセイを掲載するかというユニクロの編集判断の背後に、学術機関の名前とその多様性研究センターの名前が付くことになる。しかも、この文芸誌がまだ日本国外に存在しない段階での話だ。ユニクロは今後、海外の大学も提携先に加える可能性があるとしているが、創刊号そのもの、そして公募で集まった原稿をユニクロが発行に値する形へと編集していけるかという最初の試金石は、まず東京を舞台に試されることになる。