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U.S.M.H、上期営業損益が赤字転落 イオンフードスタイル統合で増収も利益伴わず

首都圏でマルエツ、カスミ、いなげやを展開するイオン系のU.S.M.H(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)は、8月までの中間期で営業損益が32億8300万円の赤字に転落した。3月にイオンフードスタイルを発足させた統合効果で売上収益は14.0%増えたが、コスト増がそれを上回り、通期の利益予想は8割減に下方修正された。

首都圏の近隣スーパーマーケットの売場を描いたフラットベクターイラスト。レジカウンターと積み重なった買い物かご、カートを押す匿名のシルエットの買い物客たち。
イラスト:floortok.com

首都圏でスーパーマーケット「マルエツ」「カスミ」「いなげや」などを展開するイオン系の持株会社、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(U.S.M.H、証券コード3222)は10月9日提出の中間期決算短信で、2026年3月1日から8月31日までの中間連結会計期間の営業収益が前年同期比14.0%増の5,447億79百万円となった一方、営業損益は前年同期の1億68百万円の黒字から32億83百万円の赤字に転落したと発表した。

赤字は損益計算書の下段にも及んだ。経常損益は前年同期の32百万円の黒字から33億37百万円の赤字となり、親会社株主に帰属する中間純損益も前年同期の12億10百万円の赤字から46億45百万円の赤字へと拡大したという。

規模を狙った統合、利益はまだついてこず

増収の大半は、ひとつの出来事に起因する。U.S.M.H傘下のマックスバリュ関東が2026年3月、ダイエーの関東事業およびイオンマーケット株式会社と統合し、「株式会社イオンフードスタイル」として新たに発足したのだ。同社はこの統合について、食品小売分野で売上高1兆円を突破し首都圏でトップクラスの地位を確立することを目指すとしており、イオンフードスタイル単体の中間期営業収益は前年同期比287.6%増の871億39百万円と、統合効果がそのまま数字に表れている。

一方で同社は、競争激化に対応した価格施策・販促施策の強化により複数の子会社で売上総利益率が低下したと説明し、特に石油製品(ナフサ等)をはじめとする資材価格の上昇を挙げている。来店客数や買上点数が計画を下回った子会社もあったという。グループ全体の販売費及び一般管理費は前年同期比16.3%増と、売上総利益の伸び(同13.6%増)を上回り、この差が中間期の赤字転落を招いた。

子会社ごとに異なる明暗

主要子会社の明暗は分かれた。マルエツの単体営業収益は前年同期比2.4%増の2,077億6百万円だったが、資材価格の上昇や価格施策の強化で売上総利益率が低下し、販管費の増加も重なって営業利益・経常利益はいずれも前年同期を下回った。逆の動きを見せたのがカスミで、単体営業収益は来店客数の減少により同0.5%減の1,398億24百万円となったものの、売上総利益率は改善。それでも減収の影響だけで営業損失・経常損失に転落した。いなげやの単体営業収益は同0.7%増の1,098億87百万円だったが、こちらも売上総利益率の低下と販管費の増加で営業利益・経常利益がともに前年同期を下回った。イオンフードスタイルも、売上規模こそ拡大したものの、価格施策による売上総利益率の低下と店舗改装への先行投資による販管費の増加が響き、営業損失・経常損失を計上している。

通期予想は下方修正、配当は維持

U.S.M.Hは通期業績予想を、直近に公表した水準から下方修正した。2027年2月期通期の見通しは、営業収益1,096億80百万円(前期比13.8%増)とする一方、営業利益はわずか10億円(同80.2%減)、経常利益8億円(同83.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は80億円を見込むとした。中間配当は1株当たり8円とし、通期の配当予想は1株当たり16円で据え置いている。

マルエツ、カスミ、いなげやは首都圏の数百万世帯にとって日常の買い物先であり、今回の決算は、イオンが進める地域スーパーの統合による規模拡大戦略が実際にどう効いているかを示す材料となる。イオンフードスタイルは狙い通り売上を押し上げたが、グループ全体で見れば、資材価格の上昇や改装投資のペースに利益率の改善が追いついていないのが実情だ。この差が通期予想の達成までに縮まるかどうかが焦点となる。規模の拡大がいずれ採算を取り戻すというのがイオンの賭けだが、少なくとも今回の中間期ではまだその通りになっていない。