H2Oリテイリング、阪急阪神百貨店アプリをカードレス化 2030年度に会員300万人目指す
H2Oリテイリングは、阪急阪神百貨店アプリを刷新し、グループ共通の顧客データ基盤「H2O ID」と連動したカードレス会員制度へ移行する。2030年度までにアプリ会員300万人を目指す。

H2Oリテイリング株式会社は、阪急阪神百貨店アプリを刷新し、これまで必要だった実物の「Sポイントカード」を不要とし、会計時にはアプリ内の会員証を提示する形に移行すると発表した。9月9日から先行ダウンロードを開始し、9月30日から店舗でのサービスを開始する。同社は2030年度までにアプリ会員300万人を目指すとしている。
刷新後のアプリはグループ共通の顧客データ基盤「H2O ID」と連携し、購買履歴とイベント予約情報をひも付けて個々の顧客を識別できるようになるという。従来のポイントカードだけに頼るデータ収集から一歩進める狙いだ。年間購入金額に応じて、エントリーの「ホワイト」から最上位の「ダイヤモンド」まで複数の会員ランクを設ける新たな制度に移行するとしている(同社発表)。
先行ダウンロード特典として、最初の20万人にSポイント1000ポイントを付与するほか、クレジットカード会員を対象に1万名に当たる抽選も別途実施するという。同社は今回の刷新を、「コミュニケーションリテイラー」を掲げる長期ビジョン「Vision 2030」の一環と位置づけている。
実物カードをアプリに置き換える取り組み自体は、日本の小売業界では珍しくない。より本質的な変化は、複数の家族がカードを共有できるカード連動型の購買データから、個々の買い物客を特定することを意図したID基盤への移行にある。カードへの根強い愛着を持ち、比較的高齢の客層も多い百貨店顧客に対し、スマートフォンへの切り替えという手間を求めてでも「誰が何を買ったか」を正確に把握する価値があるという賭けだ。