阪急阪神百貨店、8月度売上高が過去最高を更新 高額品好調が中国人客の落ち込みを補う
エイチ・ツー・オー リテイリングの百貨店事業は8月として過去最高の売上高を記録した。中国人観光客の消費額がほぼ半減する中でも、100万円超の高額品売上高は前年比約3割増と伸び、阪急阪神百貨店の高額品シフトが特定のインバウンド市場への依存を上回りつつあることを示した。

エイチ・ツー・オー リテイリングは9月1日発表の月次売上速報で、傘下の阪急阪神百貨店事業が8月として過去最高の売上高を記録したと明らかにした。全店合計の売上高は前年同月比6.8%増となった。
牽引したのは2つの旗艦店だった。同社によると、梅田本店にあたる阪急本店の売上高は前年比10.0%増となり、国内顧客売上高、免税売上高、店舗全体の売上高のいずれも8月として過去最高を更新、4月以降毎月2ケタの伸びが続いている。国内顧客の売上高だけでも、過去最高だった前年をさらに約1割上回った。阪神梅田本店の伸び率5.4%は実態を過小に映しているとし、大型催事の開催時期が今年は後ろ倒しになった影響だと説明する。催事等を除いた店頭売上は約1割増で、ファッション・ライフスタイルカテゴリーは約2割増、食品も約1割増と伸びた。一方、支店計の売上高は2.3%増にとどまった。
阪急本店では、100万円超の高額品売上高が全館で前年比約3割増となり、5・6階の「HANKYU LUXURY」を中心に伸びた。インターナショナルブティックスは約3割増、宝飾品・時計は約1割増、ブライダル関連のアクセサリーも約2割増と好調だった。一方、グループ全体の免税売上高は8月として過去最高を更新し、3月以降6カ月連続で前年を上回っている。中国人観光客の売上高は前年比で約5割減と厳しい状況が続くが、中国人を含む海外VIP層の売上高が約5割増となり、この落ち込みを補ったという。
どの市場が中国人客の落ち込みを補ったのかは同社の発表からは分からないが、この数字は、コロナ禍後に百貨店各社が進めてきた客層分散が一定の効果を上げつつあることを示唆する。単一の国籍の客層に依存した免税事業は、その市場の消費動向や為替、渡航パターンが変化するたびに影響を受けやすいが、阪急阪神百貨店は中国人客の落ち込みにもかかわらず免税売上高で過去最高の8月を記録した。猛暑が続いてファッションカテゴリーの動きが鈍らなかったことや、阪急本店9階で開催された人気キャラクターとのコラボイベント(2週間)が過去最高の売上を更新したことも重なり、8月の好調は今年一貫して同社が頼ってきた3つの柱――旗艦店、高額品、集客イベント――によって支えられた形だ。
前年同月比(%)