エルメス、2026年上半期の日本売上が2桁成長に加速——名古屋に新店、大阪店を改装
エルメスは2026年上半期の決算で、日本の売上高が為替影響を除く実質ベースで前年同期比11.0%増加し、第2四半期単独では12.3%増まで加速したと発表した。アメリカス地域に次ぐ高い伸びで、6月の名古屋新店開業と5月の大阪店改装を伴う成長であることをうかがわせる。

エルメスは7月29日に公表した2026年上半期(1〜6月期)決算で、日本事業の売上高が為替影響を除く実質ベースで前年同期比11.0%増加し、第2四半期単独では12.3%増まで伸びが加速したと発表した。これはアメリカス地域に次ぎ、同社の地域別業績のなかで2番目に高い伸び率だった。エルメスは、店舗への集客の強さと現地顧客のロイヤルティがこの成長を支えたとしている。
グループ全体の連結売上高は上半期で81億6300万ユーロとなり、実質為替ベースでは6.1%増加した一方、実勢為替レートでの伸びは1.6%にとどまった。為替変動により売上高が3億6000万ユーロ超押し下げられたためだと同社は説明する。第2四半期単独の売上高は40億9400万ユーロで、実質ベースの伸び率は6.7%と、第1四半期の5.6%からわずかに加速した。経常営業利益率は41.0%(経常営業利益33億5100万ユーロ)で、前年同期の41.4%からわずかに低下し、調整後フリーキャッシュフローは18%増の21億8200万ユーロだった。
地域別の実質ベース成長率では、日本はアメリカス(15.3%増)に次いで6地域中2番目の高さとなり、フランスを除く欧州(8.8%増)、日本を除くアジア太平洋(2.4%増)、フランス(1.8%増)を上回った。「その他」に分類される中東地域は実質ベースで4.2%減となり、唯一のマイナス成長地域だった。同社はこれについて、地政学的に不安定な環境下でも現地顧客とバリュー戦略により底堅さを見せたとしている。
日本の成長の背景には、具体的な店舗展開があった。同社によると、大阪のヒルトンプラザイースト店が拡張・改装を経て5月に再開し、6月には名古屋に新店舗を開いたという。上半期の中でも日本の実質ベース成長率自体が加速しており、同社の四半期実績によれば第1四半期の9.6%増から第2四半期には12.3%増へと伸びを高めた。
アクセル・デュマ会長は決算報告の中で、独自の職人技モデルの強さへの確信と、主要な財務バランスを管理できているとの認識を踏まえ、下期についても自信を持って臨む考えを示した。
注目すべきは伸び率そのものより、その加速ぶりだ。第1四半期より第2四半期の伸びが高いということは、前年の反動増にとどまらず、2026年を通じて勢いが強まっていることを示唆する。エルメスは値引きをほとんど行わず、品薄をむしろ需要喚起の手段として扱う企業であるため、こうした2桁の実質成長は値引き主導ではなく、定価販売による需要主導の結果と読める。同時に大阪店の改装と名古屋への新規出店という物理的な投資を進めていることは、通過型のインバウンド消費だけでなく、日本の顧客そのものへの賭けを示している。
エルメスは次回、10月22日に第3四半期の売上高を公表する予定だ。円相場や訪日動向が変化する下期にも、この日本の成長ペースが持続するかどうかは、今回の決算では答えの出ていない問いとして残る。
前年同期比(実質為替ベース、%)