星野リゾート、10棟目の「HOSHINOYA」を奈良・明日香村に開業へ
35室・1泊19万3000円からの新施設が2027年7月、日本最初の都があった明日香村に開業する。ユネスコ世界遺産登録から間もないタイミングでの発表だ。

星野リゾートは、同社10棟目となる「HOSHINOYA」を2027年7月22日に奈良県明日香村で開業すると発表した。予約受付は発表と同日の9月25日に開始した。
施設は平屋建ての一棟貸し客室35室で構成し、タイプは4種類、面積はおよそ70平方メートルから260平方メートル、天井高は最大で約4メートルに達するという。宿泊料金は税・サービス料込み、食事別で1泊19万3000円からとしている。
ユネスコ世界遺産登録を軸に
同社は、明日香村が約1400年前に日本の都・飛鳥京が置かれた地であることと、2026年7月にユネスコ世界遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」を、施設コンセプトの核に据えている。開業はその登録からほぼ1年後にあたる。同社が掲げるコンセプトは「日本の原点に佇む静寂の聖域」。
デザインは土地の風土をそのまま取り込む。棚田をモチーフにしたテラス状の庭園、地域の石造物や瓦屋根を意匠に反映した客室、そして「あかね」タイプの客室に設けた石造りの浴室「石室風呂」などが特徴だ。最寄りの近鉄吉野線・飛鳥駅からは車でおよそ4分の距離にある。
奈良は長らく、京都の寺社めぐりや大阪の食・買い物需要に埋もれ、旗艦級の宿泊料を取れる施設が少ない「日帰り観光地」であり続けてきた。1泊19万3000円からのHOSHINOYAを投入するのは、開業とほぼ同時期のユネスコ登録を、ミシュランキーやダークスカイパーク認定が他のHOSHINOYAに与えたのと同じ「価格に見合う裏付け」として機能させる賭けだ。ただ、35室を毎晩満室にできるほど「日本最古の都」という物語が京都から客を引き寄せられるかは、世界遺産登録そのものが答えを出してくれるわけではない。