全国百貨店売上、7カ月連続の増収 宝飾・時計と免税売上が加速
日本百貨店協会(JDSA)によると、7月の全国百貨店売上高は前年比5.1%増と7カ月連続のプラスとなった。インバウンド(免税)売上高は25.5%増、なかでも宝飾・時計が全品目の中で最も伸びており、こうした偏った好調さは、11月に控える免税制度の「事後還付」方式への移行で試されることになる。

日本百貨店協会(JDSA)は8月25日付の月次発表で、7月の全国百貨店売上高(店舗数調整後)が前年同月比5.1%増となり、7カ月連続のプラスになったと明らかにした。売上高総額は4889億円で、伸び率は6月から2.8ポイント拡大したという。
地域別では東京が牽引し、売上高は1488億円、前年比9.0%増で、こちらも7カ月連続のプラスだった。全国主要10都市の合計は6.5%増だった一方、10都市以外の地区は0.3%増と2カ月ぶりのプラスにとどまり、伸びが大都市の主力店に偏っている構図がうかがえる。
けん引役はインバウンド需要だ。免税売上高は506億円で前年比25.5%増となり、5カ月連続のプラス。全体に占める割合は10.4%に達した。購買客数は49万1000人で3.0%増と、9カ月ぶりに前年実績を上回った。客単価は円安を背景に前年より約2割伸びたという。国・地域別では香港、韓国、台湾からの消費が大きく伸びた一方、中国は売上高が約5%増にとどまり、購買客数は約26%減ったとJDSAは説明した。
商品別で最も伸びたのが「美術・宝飾・貴金属」(時計を含む区分)で、全国16.7%増と12カ月連続のプラス、東京では24.2%増だった。この区分を含む雑貨全体も全国10.7%増、東京16.9%増と、いずれも二桁の伸びとなった。一方、主力の衣料品は全国3.9%増にとどまり、中旬以降の猛暑でTシャツなど夏物商材の動きが活発化したことが寄与したとJDSAは説明している。
偏りを伴う成長
JDSAが描く構図は目新しいものではない。円安と訪日客数の回復が、宝飾品や高級時計、ラグジュアリーブランドのバッグなど最も単価の高いカテゴリーに消費を集中させる一方、食料品や一般衣料といった裾野の広いカテゴリーの伸びは相対的に緩やかにとどまる。これは販促というより価格と商品構成の物語だ。百貨店側が新たな需要を掘り起こしているというより、ドル建てやウォン建てで見れば割安に映る為替差益に乗っているという側面が大きく、値引きせずとも売れる高額品が業績を支えている。
その為替の追い風には賞味期限がある。日本は11月から、訪日客がその場で受けてきた即時免税措置を廃止し、出国時に払い戻しを受ける「リファンド方式」に切り替える予定で、購入と免税還付の間に新たな手続きと待ち時間が挟まることになる。7月の数字にはまだその影響は表れていない。JDSAが示した8月の東京地区の足元動向(8月17日時点)も前年比8.0%増と、勢いは続いているようだ。ただ、免税売上が全体の1割を占め、宝飾・時計が他のどの品目よりも伸びている今、今回の7月の数字は、制度変更後にこの伸びがどれだけ残るかを測るための、格好の基準点となる。
前年同月比(%)