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星野リゾート「界 松本」、和食からイタリアンへ 信州ワインと音楽に浸る宿に転換

星野リゾートは「界 松本」の和食ディナーを信州ワインを軸としたイタリアンへ転換し、全29室をレコードプレーヤーと音楽をテーマにした客室へと改装した。「界」ブランド23施設で和食を完全に取りやめるのは今回が初めてとなる。

夕暮れの旅館の客室にレコードプレーヤーとワイングラスを描いたイラスト
イラスト:floortok.com

星野リゾートは8月4日、長野県松本市の温泉旅館「界 松本」を全館リニューアルオープンした。従来の和食から、地元信州のワインを軸に据えたイタリアンコースへと料理を全面転換したのが最大の特徴で、同社によると「界」ブランド23施設の中でイタリアンを打ち出すのは今回が初めてだという。

新しいディナーコースは、あっさりとした軽やかな味わいが特徴とされる信州のワイン産地「桔梗が原ワインバレー」のワインを軸に組み立てられている。客室は全29室(うち19室は専用の露天風呂付き)をすべて改装し、名称も「GAKUの間」に統一。各室にレコードプレーヤーとスピーカーを備え、ヘッドボードには地元の伝統技法「松本渓声塗り」を用いたアートをあしらった。既存の浴場・食事処に加え、新たに「ワインバー」を第3のくつろぎの場として設けた。

宿泊料金は1泊2食付き・税サービス料込みで1名あたり41,000円からとなる(2名1室利用時)。同社によると、施設内の温泉は8つの泉質・13通りの入浴パターンにサウナも備えるという。予約受付は4月22日に開始し、8月4日のリニューアルオープンを迎えた。

「界」ブランドはこれまで和食を標準としてきただけに、1施設とはいえ和食を完全に取りやめる今回の判断は、季節ごとのメニュー刷新とは次元の異なる大きな転換と言える。ブランドに多い茶道的なしつらえではなく、ワインと音楽をテーマにした演出で、温泉地として選択肢の多い長野で異なる客層の取り込みを狙う賭けとみられる。今年は「界」ブランドであと3施設の開業を予定しており、松本のイタリアン転換は、ブランドがどこまで「界らしさ」を保ったまま形を広げられるかを試す実験ともいえる。この試みが他施設にも波及するのか、あくまで松本だけの例外にとどまるのか、注目したい。