LVMH、2026年1〜9月期売上高571億ユーロ 中国減速の一方で日本は「好調」
LVMHの2026年1〜9月期売上高は571億ユーロで、実質(オーガニック)成長率は前年同期比2%増だった。第3四半期は中国市場の減速が響いた一方、米国・欧州・日本は「好調な伸び」を示したとグループは説明している。ルイ・ヴィトンやディオールを擁するファッション・レザーグッズ部門が唯一、実質ベースで減収となっているだけに、この評価は日本にとって二重の意味を持つ。

LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは10月12日付の発表で、2026年1〜9月期の売上高が571億4800万ユーロとなり、実質ベースで前年同期比2%増だったと明らかにした。報告ベースでは前年から2%の減収となったが、これは為替変動によるマイナス3ポイントの影響が実質成長分を上回ったためだとしている。
第3四半期単独のオーガニック成長率は1%に鈍化した。LVMHは発表資料で、中国市場の勢いが鈍る中、米国・欧州・日本については好調な伸びが見られたと説明している。
ファッション・レザーグッズ部門だけが減収
LVMHの5事業部門のうち、実質ベースで減収となったのはファッション・レザーグッズ部門のみだった。同部門は1〜9月期累計で571億ユーロのうち264億ユーロと依然としてグループ最大だが、累計で前年同期比2%減、第3四半期単独では5%減となった。発表では、米国市場の底堅さを中国需要の鈍化が相殺したと説明している。最も好調だったのはウォッチ・ジュエリー部門(累計+8%、第3四半期+6%)とセレクティブ・リテイリング部門(累計+6%、第3四半期+8%)で、ワイン・スピリッツ部門も累計+5%となった。香水・化粧品部門は横ばいだった。
ファッション・レザーグッズ部門では、複数メゾンでデザイン刷新が需要を押し上げたとLVMHは説明している。クリスチャン・ディオールはジョナサン・アンダーソン氏によるレディ・トゥ・ウェアやレザーグッズが、セリーヌはマイケル・リーダー氏の手がけるコレクションが、ルイ・ヴィトンはファレル・ウィリアムス氏によるメンズラインがそれぞれ好調だったという。ディオールは9月、5月の大阪店に続く今年2店舗目の新規旗艦店をミラノのモンテ・ナポレオーネ通りに開いた。一方、マーク・ジェイコブスは9月1日付でWHPグローバルに売却された。
日本にとっての意味
日本については具体的な数値ではなく定性的な評価にとどまる。LVMHの発表は日本単独の数値を開示しておらず、第3四半期に「好調な伸び」を示した市場として米国・欧州とひとまとめに分類しているだけで、相対的に中国は低調だったとしている。ただし、その分類がどこに影響するかは重要だ。ルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、ティファニー、ブルガリ、ロエベはいずれも日本で直営店や百貨店内のコンセッションを通じて販売しており、なかでもヴィトンとディオールは、グループ全体で唯一実質減収となっているファッション・レザーグッズ部門に属する。中国が減速するなかで日本事業が底堅さを保っていることは、裏を返せば同部門の数字をこれ以上悪化させずに支えている要因のひとつだといえる。
注視すべきは同部門の四半期ごとの振れ幅だ。LVMHの発表資料付属の四半期表によると、ファッション・レザーグッズ部門のオーガニック成長率は第2四半期の+1%から第3四半期は-5%へと落ち込んだ。日本事業の潮目がどちらの方向に変化しても、まず表れるのはこの部門の数字においてだろう。
LVMHの見通しは落ち着いたトーンだった。グループは引き続き自信を持っているとし、ブランドの魅力向上や製品の質、小売における卓越性、組織の機動力に軸足を置く戦略を維持するとしたが、新たな数値目標は示していない。
実質前年同期比(%)