松屋、10月の売上高9.4%増 浅草店は115.6%増と銀座店の5.5%増を大きく上回る
松屋の10月の売上高(銀座本店・浅草店計)は9.4%増だったが、その内訳には大きな差がある。浅草店は売上高が2倍超に膨らんだ一方、銀座店単体は5.5%増にとどまった。松屋によれば、銀座店の増収は免税売上高の伸びよりも、22%増となった国内顧客の宝飾・時計需要によるところが大きいという。

松屋は11月2日付の月次売上速報で、浅草店を含めた銀座本店の10月の売上高が前年同月比9.4%増だったと発表した。内訳を見ると、銀座店単体は5.5%増にとどまった一方、規模の小さい浅草店は115.6%増と2倍を超える伸びとなった。
今回の速報で浅草店の急伸についての具体的な理由は明らかにされていない。ただし浅草店は銀座本店に比べ規模がかなり小さく、同じ金額の増収でも前年比としては大きな伸び率として現れやすい点には留意が必要だ。
銀座店の免税売上高は前年に対して約3%増、うち化粧品を軸とした消耗品は約44%の伸びを示したという。免税売上高を除く国内顧客の売上高は7.8%増と堅調に推移し、同社は宝飾・時計(22%増)が全体を牽引したと説明している。顧客属性別・商品別の詳細を含む「2026年10月売上報告」は11月12日に公表予定としている。
松屋の数字は、同じ週に発表された他の百貨店各社の決算と並べると違った姿を見せる。三越伊勢丹の10月の国内売上高は10.9%増、海外顧客売上高は38.9%増だった。H2Oリテイリング傘下の阪急阪神百貨店は全店計13.2%増で、免税売上高は3カ月連続の同月最高を更新している。これに対し松屋の免税売上高の伸びは約3%にとどまり、総務省が公表した直近9月の消費者物価指数(前年同月比2.1%増)と比べても見劣りする水準だ。今月の銀座店の増収は、他の大手百貨店を押し上げている海外顧客の需要よりも、国内の宝飾品購買層に支えられた面が大きい。22%増となった宝飾・時計も、直近9月の腕時計・指輪の消費者物価が16.2%上昇している全国的な流れと軌を一にしており、銀座店の伸びの一部は単価上昇によるものとみられる。
今週発表された3社の売上速報の中で見劣りする松屋の免税売上高が、前年の比較のハードルが落ち着くにつれて持ち直すのか、それとも銀座本店が引き続き国内の宝飾品需要に頼り、浅草店の振れ幅の大きさがグループ全体の数字を左右し続けるのか。これが今後の注目点だ。
前年同月比(%)