西武渋谷店、東急百貨店と「最初で最後」の9月コラボ企画
58年の歴史の締めくくりを迎える西武渋谷店が、渋谷の老舗ライバル・東急百貨店と9月に合同キャンペーンを実施する。両社はこれを「最初で最後」のコラボと位置づけている。

そごう・西武は8月25日、西武渋谷店が9月の1カ月間、東急百貨店と合同キャンペーンを実施すると発表した。同じ渋谷エリアで長年営業してきた2つの百貨店が手を組む珍しい取り組みで、西武渋谷店の58年の歴史の締めくくりにあたっての企画だとしている。
リリースによると、両社は「ライバル」ではなく「ともに渋谷をつくってきた仲間」として、感謝と敬意を示す3つの企画を展開する。9月20日から23日まで、税込2,200円以上購入した先着5,800人に非売品のオリジナル扇子を贈呈する。9月1日から13日までは、両社の公式X(旧ツイッター)アカウントをフォローしてキャンペーン投稿をリポストした人の中から抽選で10人に和菓子詰め合わせが当たる。9月4日には「渋谷のラジオ」で午後6時から6時55分まで、「ありがとう西武渋谷店!東急百貨店と最初で最後のコラボスペシャル」と題した特別番組を放送する。合同キャンペーンのキービジュアルを使ったポスターやデジタルサイネージも渋谷各所に掲出されるという。
今回の取り組みはむしろ「何ではないか」に意味がある。合併でも、テナント承継でも、業務提携でもなく、そごう・西武と東急百貨店は引き続き別会社・別ブランドの競合同士のままだ。リリースが示すのは、渋谷で60年近くにわたり百貨店エリアの核であり続けた西武渋谷店が、閉店時期を明示しないまま、みずからの歴史をすでに過去形で語り始めたという事実である。同じ商圏で競合する百貨店同士の合同企画は極めて珍しく、両社があえて番組名で「最初で最後」と銘打ったのは、渋谷の百貨店地図が塗り替わりつつあることを示す、小さくも意図的なサインといえる。