シロ、1960年築のビルを改装した銀座旗艦店を出店
化粧品・フレグランスブランドのシロが、1960年築のビルを改装した銀座の二層旗艦店を11月6日に開業した。日本で最も注目度の高い商業地の一つで、建て替えではなく改修を選んだ。

シロは、化粧品とホームフレグランスを手がける日本のブランドで、東京都中央区銀座3-3-12の二層旗艦店を11月6日に開業した。同社が10月28日に発表した。建物は1960年に建てられたもので、取り壊さずに改修した。かつてはファッションブランドの45Rと、木組みを手がける工務店グループの三角屋(Sankakuya)が入居していた。
シロによると、2社が残した木材や石材、トラバーチンを再利用し、剥落していた外壁タイルは岐阜県多治見市の窯元に依頼してオリジナルのパターンを再現したという。1階は「土間」をイメージした空間とし、2枚の引き戸で店先を通りに大きく開く。2階には「ポプリブレンダーラボ(Potpourri Blender Lab)」を設け、日本各地から集めた季節の草木や木片を並べている。
店舗限定の「SHIKI FRAGRANCE」として、銀座の柳や店先のガラス、煉瓦の街並み、ガス灯など、四季とその土地の情景にちなんだ4種の香り「SAKURA」「TAKE」「MATCHA」「AKARI」を展開し、40mLで各5,060円(税込)で販売するという。約30分のフレグランスポプリづくりワークショップは3,960円。限定フレグランスの購入者やワークショップ参加者には、改修時に見つかった古いポストから実際に投函できるポストカードが渡される。
設計を手がけたのは、DRAWERSの小倉寛之。同氏はシロ伊勢丹新宿店や、北海道長沼町にある一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」も手がけている。シロは1989年設立で、本社は東京都港区の青山パラシオタワー、代表取締役は福永敬弘。製造拠点は北海道砂川市にある。営業時間は11:00〜20:00、不定休。
今回の出店が示すのは、価格ではなく商品とプレゼンテーションでの勝負だ。銀座の路面では欧州メゾンのコンセッションや企業の旗艦タワーが増える中、シロは建て替えではなく改修そのものを見せ場に選んだ。1960年築の骨格を残し、長年の銀座の客しか気づかないようなタイルの欠けまで多治見の窯元に発注して復元した。北海道の自社工場や現地で見つかった素材の再利用など、産地や由来を大切にしてきたブランドにとって、この店の構成そのものが、自社の今後の方向性を示す場にもなっている。