高島屋、8月度売上高3.2%増 — 訪日客は数減っても単価が急増
高島屋の8月度売上高は前年同月比3.2%増となったが、本当の見どころは免税売上の中身にある。免税取引件数は6.8%減った一方、客単価は14.4%上昇した。

高島屋の2026年8月度売上高は前年同月比3.2%増となった。同社の月次開示によれば、既存店ベースでは5.1%増とさらに高い伸びとなっている。ただし、この数字の内側では構造の変化が進んでいる。免税フロアを訪れる訪日客の数は減少しているが、一人当たりの消費額は大きく伸びている。
免税売上高は前年同月比6.6%増となり、国内売上高(免税を除く)の2.7%増(既存店ベースで4.9%増)を上回った。だが、より注目すべきは免税売上の内訳だ。免税取引の件数は前年から6.8%減少した一方、1件当たりの平均単価は14.4%上昇した。
客数は減り、単価は膨らむ
こうした傾向は、好調だったカテゴリーとも符合する。高島屋によれば、紳士服、婦人雑貨、宝飾品、きもの、子供用品、スポーツ用品、家具・インテリア、食品が既存店ベースで前年を上回った。これは衝動買いよりも、吟味された高単価の購買に偏った顔ぶれだ。
これはfloortokがこれまでも注目してきたパターンだ。訪日需要を押し上げている要因が何であれ、その恩恵はすべての客に均等に及んでいるわけではない。件数が減っても単価が大きく伸びるという構図は、行列をさばく高回転の接客から、一人の客とじっくり向き合ってバスケットを積み上げる接客主導の販売へと現場を近づける。百貨店にとって、これは取るに値する賭けだ。吟味された全価格帯での購買は、見出しの訪日客数だけでは見えない形で粗利益を守る。
店舗ごとにまだら模様
店舗別の成績にはばらつきがあった。高島屋によれば、京都、日本橋、横浜、新宿を含む9店舗が前年を上回った一方、大阪と大宮は0.2%減、高崎は1.2%減となった。なお京都店の数値には、2026年8月3日に閉店した楽西サテライトショップの売上が含まれており、9月以降の数値と単純に比較する際には留意が必要だ。
前年同月比(%)