ユニクロ国内、10月の既存店売上高5.5%減 ― 暖かさ続き冬物が伸び悩む
国内最大手の衣料品チェーン、ユニクロの既存店売上高が10月、珍しくマイナスとなった。月後半の暖かさで冬物が売れ残ったためだが、落ち込みは国内に限られ、需要そのものの弱さというより気温要因とみられる。

株式会社ファーストリテイリングは、11月4日付の月次売上高速報で、ユニクロの国内直営店における10月の既存店売上高(ネット販売を含む)が前年同月比5.5%減少したと発表した。下旬にかけて気温の高い状態が続き、冬物衣料の販売が伸び悩んだことが要因だという。国内最大手の衣料品チェーンとしては珍しい、月間でのマイナスとなった。
今回の既存店(748店)とは、比較対象となる両期間を通じて営業していた店舗を指す。ネット販売を含む直営全774店舗の総売上高は、既存店を上回る6.5%減となった。既存店ベースで見ると、客数が9.8%減少した一方、客単価は4.8%上昇しており、来店した客の購買意欲が落ちたわけではなく、単純に来店客数そのものが減ったことがうかがえる。速報は「10月の既存店売上高は、月後半の気温が高めに推移した影響で冬物商品の販売が伸び悩み、前年を下回った」としている。
本来は既存店に含まれるはずだった3店舗は、月内に1週間以上休業したため集計から除外された。7月28日の熊本地震の影響を受けた熊本県内の2店舗と、8月13日の大雨の影響を受けた千葉県内の1店舗だという。10月中の国内出店は6店舗、閉店は3店舗だった。
今回の落ち込みは国内に限られる。海外では10月9日に米サンフランシスコの旗艦店「マーケット・ストリート店」、22日に仏カンヌ店、30日には上海のグローバル旗艦店をそれぞれ開業しており、10月の国内既存店の落ち込みが、ブランド全体の後退ではなく国内の気象要因によるものであることをうかがわせる。
「需要の弱さではなく気温要因」という説明を裏付ける材料として、物価の動きが参考になる。総務省によると、直近で公表されている9月の全国の被服及び履物の消費者物価は前年同月比1.2%の上昇だった。これに対し、ユニクロの10月の客単価上昇率4.8%は、その約4倍の水準にあたる。floortokの見立てでは、これは一般的な物価上昇だけでは説明しづらい伸び幅であり、来店した客がより高額な商品、あるいはより多くの商品を購入した可能性を示唆する。むしろ深刻なのは9.8%減少した客数の方で、こちらは単月の物価指数だけでは説明がつかず、気温要因という同社の説明とより直接的に符合する。
10月の記録的な暖かさが、通期の出足そのものを帳消しにしたわけではない。ファーストリテイリングの公表データによれば、ユニクロ国内事業の2027年8月期が始まった9月以降2カ月間の累計既存店売上高は、依然として前年比0.3%増を維持している。11月に本格的な寒さが訪れれば、次回の月次発表の頃には、今回の落ち込みも過去の一コマとして扱われる公算が大きい。
前年同月比(%)