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エルメス、第3四半期の日本売上高は全地域中トップの伸び 円安で開示ベースには表れず

エルメスは10月22日、2026年1〜9月期の売上高が為替一定ベースで前年同期比5.5%増になったと発表した。第3四半期単独で見ると、日本の伸び率は同社が開示する全地域の中で最も高かったが、円安によってユーロ建ての開示数値ではその伸びの大半が消えてしまった。

夕暮れの日本の商店街アーケード。灯りのともるレザーグッズの店と、ハンドバッグを提げた買い物客
イラスト:floortok.com

エルメス・インターナショナルは10月22日、2026年1〜9月期の売上高が為替変動の影響を除いたベースで前年同期比5.5%増になったと発表した。第3四半期単独では、日本の伸び率が同社の開示する全地域の中で最も高かったが、円安によってユーロ建ての開示数値ではその伸びの大半が消えてしまった。

1〜9月の連結売上高は122億6000万ユーロで、前年同期の119億1600万ユーロから公表ベースでは2.9%増にとどまった。為替変動だけで売上高を約3億1000万ユーロ押し下げたという。第3四半期の売上高は40億9600万ユーロで、公表ベースでは5.5%増、為替一定ベースでは4.3%増だった。

日本の第3四半期の為替一定ベースの伸び率は9.6%で、エルメスが開示する全地域の中で最も高く、欧州(フランスを除く、9.5%)や米州(8.8%)をわずかに上回った。1〜9月累計では、日本の売上高は為替一定ベースで10.5%増の12億ユーロとなり、主要地域の中では米州(13.1%増)に次ぐ高い伸びとなった。同社はこれを「地元顧客の高いロイヤルティー」によるものとした。

一方でユーロ建てで見ると様相は一変する。日本の1〜9月累計の公表ベース売上高は0.3%減となり、2桁の実質的な伸びがエルメスの開示通貨に換算される過程で減収に転じた格好だ。第3四半期単独ではこの差はやや縮小し、公表ベースの伸び3.4%と為替一定ベースの9.6%との差は約6ポイントで、1〜9月累計の約11ポイントから縮まった。

エルメスは日本での勢いを、2つの具体的な店舗展開と結び付けた。5月に改装・拡張のうえ再開業した大阪・ヒルトンプラザイースト店と、6月に開業した名古屋の新店舗だ。

エルメスは日本国内の商品別内訳を開示していないが、グループ全体で見ると成長を牽引しているのは依然として最大かつ生産能力の制約が最も厳しいレザーグッズ&サドラリー部門で、1〜9月累計で為替一定ベース10.2%増。一方、レディ・トゥ・ウェア&アクセサリーはほぼ横ばいだった。人気商品の供給を絞って販売する同社にとって、大阪の改装や名古屋の新規出店のような売場面積の拡大こそが、日本でも他地域同様、成長のために引くレバーだと言える。

今後注視すべきは為替の動きだ。円が前年よりユーロに対して弱い水準にとどまるなら、エルメスの日本における店舗網はグループ内でも際立つ伸びを続けながら、ユーロ建ての開示数値はそれを過小に映し続けることになる――見出しの数字の先を読む人だけが気づくギャップだ。エルメスの2026年12月期(通期)決算は2027年2月12日に発表予定。

エルメス日本売上高の伸び率:公表ベース対為替一定ベース

前年同期比(%)

−0.3%1〜9月・公表+10.5%1〜9月・為替一定+3.4%Q3・公表+9.6%Q3・為替一定
エルメス・インターナショナル 2026年第3四半期売上高報告 · 作図:floortok