floortok

Journal

·
ニュース

エルメス、「ルージュ エルメス」にリップマスクを追加

エルメスは「ルージュ エルメス」に新たにリップマスク(11,880円)を追加し、色つきのないリップバームと並べて展開する。発売5年目のラインが色一辺倒から一歩踏み出したことを示す動きだ。

編集イラスト — 日本の百貨店内にあるコンパクトな高級ビューティーカウンター。台座の上でライトアップされた2つの上品なガラス容器と、その脇で商品を眺めるシルエットの人物。
イラスト:floortok.com

エルメスは自社の日本公式サイトで、「ルージュ エルメス」のビューティーラインに新たにリップマスクを追加した。商品名は「マスク ソワン プール レ レーヴル」で、価格は11,880円。同ラインのリップケアのページには、色つきのない「バーム ドゥ ソワン コンプレ プール レ レーヴル」(9,900円)と並んで掲載されている。

今回の組み合わせは、色を主体としてきたラインナップの中で、トリートメント処方の製品を最上位に置く形となった。同ページに並ぶリップスティックやティンティッドリップバーム、リップオイルは7,920円から10,450円の価格帯で展開されており、11,880円のリップマスクはリップカテゴリーで最も高い価格帯にある。これは日本限定の動きではない。エルメスの米国サイトにも同様に、リップマスク(100ドル)とリップバーム(86ドル)が並んで掲載されており、市場を限定したテストではなく、ビューティー事業全体での追加とみられる。

エルメス ビューティーが「ルージュ エルメス」を立ち上げてからまだ5年しか経っていない。2020年の発売当初は、口紅とネイルカラーを中心とした限られたラインアップだった。スキンケアカウンターに近いトリートメント処方のリップマスクは、色を軸としたラインからの脱却を意味し、口紅の買い替えの合間にも顧客が立ち寄る理由をつくる、継続購入型のカテゴリーへの布石といえる。来店客の多い日本の百貨店の化粧品売り場において、これは有効な一手だ。既存カウンターの成長は、新規ブランドとの出店交渉よりも、既存顧客向けの新SKU追加によってもたらされることが多い。

このリップマスクが定番として定着するのか、それとも期間限定の組み合わせにとどまるのかは、今後注視すべき点だ。ネイルカラー、続いてコンプレクション(ベースメイク)と、エルメス ビューティーはこれまで狭い範囲から始め、リピート購入が確認できて初めて幅を広げてきた。色つきのないバームと合わせて展開されるリップマスクも、まさにそうしたテストの一形態と読める。