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松屋銀座、約20年ぶりの「イタリア展」を開催 円安下の海外旅行代替を明言

松屋銀座が11月11日から6日間、3つのフロアを使った「イタリア展」を開く。2007年以来、約20年ぶりの開催だ。円安と物価高でイタリア旅行を控える客層に向け、自宅で異国体験を提供する狙いだと松屋自身が明言している。

イタリアの広場を思わせる百貨店の催事フロアを描いたイラスト。ワインバーとジェラート売場にストライプのオーニングがかかり、テーブルにはヴェネツィアンガラスと陶器が並ぶ。シルエットの買い物客が温かな照明の下を歩いている。
イラスト:floortok.com

松屋は10月29日付の発表で、銀座本店にて11月11日から16日までの6日間、3フロアを使った「イタリア展」を開催すると明らかにした。同様のイタリア展は2007年以来、約20年ぶりの開催となる。

開催の狙いについて同社は明確に説明している。長引く円安や物価高の影響で海外旅行を控える動きが続くなか、実際にイタリアへ足を運ばなくても同国の雰囲気を味わってもらう企画だという。2026年が日伊外交関係樹立160周年にあたることも開催の背景として挙げている。

企画の中心は8階イベントスクエアで、銀座の人気店「オステリア・ダ・アダ」によるヴェネツィア風立ち飲みバー「バーカロ」、イタリアワインとカクテルを楽しめる別立てのアペリティーボバーを展開。期間中は3つのレストランが日替わりで入れ替わり、3,850円のセットメニューを提供する。フランチャコルタはグラスとボトルの両方で販売し、ブルガリ・ドルチによるライブ調理のストリートフード「ボンバ」は松屋限定版も用意される。ジェラートは7種類、ミラノ仕入れの焼き菓子も並ぶほか、シチリア産フレグランス、ヴェネツィアングラスとカメオジュエリー、イタリアの食器、名窯ジノリ1735の商品もそろう。1階プロモーションスペースではフレグランスのポップアップを実施。地下の食品催事ではピザや惣菜、冷凍食品を扱い、「50 TOP ITALY 2026」で唯一ランクインした日本のレストランだと発表資料が紹介する名古屋のエノテカ・ピンキオーリによるパスタやラザニアも並ぶという。開催初日の先着300人には1階ショーウインドー前でフランチャコルタ60mlが無料で振る舞われる。

松屋が掲げる説明は為替の動きとも符合する。米連邦準備制度理事会(FRB)の為替データによると、最新の公表値である9月の円相場は1ユーロ=179.96円と、前年同月比3.7%円安が進んだ。実際のイタリア旅行のコストを押し上げる一方で、銀座の催事フロアがその代替として存在感を増していることになる。

訪日客向けの催事ではなく、円安で行きづらくなった海外旅行の代替として催事フロアを位置づける姿勢そのものが今回のポイントだ。この狙いが銀座の定番企画として定着するのか、それとも周年にちなんだ一度限りの企画で終わるのかは、来年の催事計画の時点で円安がどこまで続いているか次第だろう。