オンワードHD、10月の既存店売上3.5%減 暖冬で冬物アウター不発
オンワードホールディングスの10月の既存店売上高は、月後半の高めの気温で消費者がアウター購入を見送ったことから3.5%減少した。日本の百貨店の紳士服・婦人服バイヤーなら誰もが思い当たる、季節のタイミングのずれを示す数字だ。

オンワードホールディングス(オンワードHD)は11月5日、2026年10月度の月次売上概況を発表し、既存店売上高が前年同月比3.5%減、全店売上高が3.4%減になったと明らかにした。「23区」やJ.PRESS、オーダーメイドブランド「カシヤマ」などを展開する百貨店アパレル大手。
同社によると、シャツ、カーディガン、ジャケットなど秋物商品の動きは堅調だったが、特に月の後半に気温が高めに推移したため、アウターを中心とした冬物商品は本格的な稼働には至らなかった。
全てのブランドが振るわなかったわけではない。オーダーメイドブランド「カシヤマ」を展開するオンワードパーソナルスタイルは、各種マーケティング施策の成果により売上が堅調に推移したという。クリエイティブヨーコでは、今月からスタートした地上波アニメとのタイアップ効果もあり、キャラクター「しろたん」関連商品の販売が好調だった。
オンワードの主力ブランドは日本の百貨店衣料品フロアで最大級のテナントの一角を占めており、同社の月次実績はそのフロアが売れているかどうかを映す直接的な指標となる。今回の数字が示すのは需要の弱さというより、季節のタイミングのずれだ。月後半の暖かさは1シーズンで解消しうる要因である一方、百貨店バイヤーが何カ月も前から仕入れ配分を計画するうえで、まさに織り込むべき変数でもある。
いずれの月次データも10月そのものではないが、総合すると、オンワードが挙げる暖かさが重なる前から衣料品市場はすでに鈍っていたことがうかがえる。経済産業省の商業動態統計によると、品目別の最新データが公表されている2026年8月時点で、全国の百貨店の衣料品売上高はすでに前年同月比0.2%減となっていた。一方、総務省の消費者物価指数によると、9月の被服及び履物の物価は前年同月比1.2%上昇している。総務省の家計調査(2026年8月、実質)でも被服への支出は前年同月比8.7%減となっており、サンプルが小さく振れの大きい数値ではあるものの、方向性は一致する。