高島屋、「休眠スーツ」3,200kgを再生しカジュアルウェアに
再生したスーツの繊維を使ったカジュアルウェア8品が10月7日から高島屋6店舗で発売される。回収ボックスを置くだけの環境訴求とは一線を画す、実際の量を伴ったプロジェクトだ。

高島屋は9月29日付の発表で、着られずにタンスにしまわれたままの「休眠スーツ」を回収し、再生した生地を使ったカジュアルウェア全8品を10月7日から6店舗で発売すると明らかにした。回収量は約3,200キログラムで、プロジェクトとして商品化が実現するのは今回が初めてだという。
新しい生地は、回収したスーツの繊維を約17%混ぜた糸から作られているという。三田紡績と御幸毛織が生地化を担い、京都工芸繊維大学、城東テクノ、東谷商店とともに「デパート・デ・ループ」と呼ぶプロジェクトとして進めてきた。糸にできなかった残りの生地は、高島屋の店舗什器に加工して活用するとしている。
対象商品は10月7日から、日本橋・新宿・玉川・横浜・大阪・京都の6店舗で発売される。
衣料品の回収ボックスを置くだけなら、環境訴求としては安易な部類に入る。それに対し、回収量や繊維混率を明示し、大学との共同研究を経て実際に商品化までこぎつけたことは、多くの百貨店が掛け声にとどまりがちな「サステナビリティ」のなかでは説得力のある部類だ。紳士服売場は百貨店のなかでも最も保守的なフロアとされるが、古いスーツを持ち込んで新しい一着を持ち帰るという具体的な動機を、高島屋は顧客に提示したことになる。